@article{oai:ouj.repo.nii.ac.jp:00007262, author = {高橋, 和夫 and Takahashi, Kazuo}, journal = {放送大学研究年報, Journal of the University of the Air}, month = {Mar}, note = {クウェート人ほど豊かな人々を知らない.だが同時に彼らほど将来に不安を抱いている人々も稀であろう.世界最大級の油層の上に位置し,しかもペルシア湾の北端という戦略的要地を占めるこの国は,その地質学的・地理学的偶然により他国の野心の的となってきた.イラン,イラク,サウジ・アラビアという湾岸の大国に囲まれた人口2百万弱のクウェートにとっては,鋭い外交感覚と豊富な石油収入に支えられた金融力がその生きる手段である.地域バランスの変化に即応し,また「みかじめ料援助」と嘲笑されながらも多額の経済援助をばらまく事でこの小国はその生存を維持してきた.しかも人口の過半数がパレスティナ,イラン,イラク,イエメン等からの「外国人」であるため,パレスティナ紛争,イラン革命,湾岸戦争,イエメン内戦といった中東各地での事件にも敏感に反応してきた.このためクウェート外交の展開は湾岸情勢の変遷を忠実に反映している.  また第一次オイル・ショック以降始めて大規模な石油ブームを味わったサウジ・アラビアやアラブ首長国連邦とは異なり,既に1950年代にクウェートはオイル・ラッシュに突入していた.それゆえクウェートはより「成熟」した「先進」産油国であり,その経験は近隣の「後発」産油国に深い影響を及ぼしている.議会制度の導入や共産圏との接触といった同国の諸政策は,最近他の湾岸アラブ産油国の採用するところとなってきた.つまりクウェートは後発産油国の今後の行方を指し示しているわけだ,湾岸政治の傾向を探る上でも,また産油諸国の将来を考える上でもクウェートは貴重な糸口を与えてくる.クウェートを湾岸の風見鶏と呼ぶゆえんである.}, pages = {81--91}, title = {クウェート : 湾岸の風見鶏}, volume = {3}, year = {1986}, yomi = {タカハシ, カズオ} }