@article{oai:ouj.repo.nii.ac.jp:00007396, author = {蘇, 雲山 and 河合, 明宣 and Su, Yunshan and Kawai, Akinobu}, journal = {放送大学研究年報, Journal of the University of the Air}, month = {Mar}, note = {トキは,かつて日本列島各地や中国,ロシアの極東地区,朝鮮半島に広く分布していた.しかし,日本では明治41年(1908)にトキが保護鳥に加えられ,狩猟による乱獲が禁止されるまでに激減した.さらに経済開発による生息環境の悪化によって個体数は減少の一途を辿り,81年1月に日本の野生トキ最後の生息地であった佐渡に生存していた5羽を一斉に捕獲し,人工増殖の試みに踏み切った.この人工増殖の試みは失敗し,98年現在では,佐渡トキセンターに1羽のみ生存している.  1981年に,中国秦嶺山脈奥地の洋県で3羽の幼鳥をふくむ7羽の野生トキが発見された.中国政府は,トキとその生息環境を保護するために行政を中心とした保護体制を早急に整備し,個体数の回復に成功した.  しかし,計画経済から市場経済に転換した中国では,これまでにないスピードの経済開発が図られ,農民間の所得の地域格差が拡大している.地域格差,後進地域における貧困の軽減は政府の重要課題となっている.経済開発の波は洋県にも及び,生活及び生産環境を急速に変えつつあり,トキ保護と農山村振興との対立が表面化している.農山村振興とトキ保護の両立,さらに人間とトキの共生を可能とする経済開発がありうるか.  本稿は,洋県人民政府及び陜西省トキ保護観察センターの協力を得て収集した資料と,現地で行った聞き取り調査を基にして,81年以降の洋県におけるトキ保護政策の展開を整理し,トキ保護に成功した要因を明らかにした上で,トキ保護と農山村振興の両立という観点から,中国で注目され始めた「生態農業」を紹介する.  増殖に成功している中国の協力を得て,トキを増やそうとする動きが最後の生息地であった佐渡・新穂村,新潟県を中心に強まっている.こうした希少野生動物保護における日中協力が進展するためには,洋県のトキ保護の成果や今日の問題点を理解する必要がある.  特定地域の事例ではあるが,生物多様性保全と経済開発との関連,さらに生物多様性の危機に対する国際協力の在り方について考察する材料を提供したい.}, pages = {111--133}, title = {人間・野生動物の共生と農山村経済振興 : 中国洋県トキ保護の事例}, volume = {16}, year = {1999}, yomi = {ス, ユンシャン and カワイ, アキノブ} }