@article{oai:ouj.repo.nii.ac.jp:00007432, author = {蘇, 雲山 and 河合, 明宣 and Su, Yunshan and Kawai, Akinobu}, journal = {放送大学研究年報, Journal of the University of the Air}, month = {Mar}, note = {中国トキは、里山と水田からなる洋県の二次的自然を最後の生息地として選んだ。この二次的自然とそこで営まれる農村社会の中にトキを生存させた要因がある。この要因を取り出す作業により、日本産トキ最後の生息地であった佐渡におけるトキ野生復帰のための環境復元に有益なヒントを得ることができる。これは同時に中国野生トキの生息環境の改善、生息地保全にも資するものである。本稿は、3回に分けた中国洋県と佐渡におけるフィールド調査の記録とまとめである。  繁殖期と非繁殖期の行動圏、即ち洋県トキの土地利用を過去の記録を参照して調べた。またトキ生息に必要な二次的自然の代表的タイプを観察し、そこでの農業経営について見聞を得た。トキ生息地における環境保全型農業(中国では「生態農業」)がトキの生息と繁殖を支えた。しかし、これは閉鎖的で、自給自足的な慣習経済の下で可能であった。近年、外部経済との関係が強まり、農民経営は商品生産への指向をますます増大させている。トキ生息地保全のための環境保全型農業は、同時に農業の商品生産化を進め、農民の所得を増大させるものでなければならない。  中国でも日本でも有機農業や「生態農業」の重要性は次第に認識されてきている。各地の事情は異なるので「生態農業」の方法は個性的でなければならない。洋県内の各農業区画での気象条件、自然資源、土地状況、農法等に基づく独自な「生態農業」の方法を積み上げて、拡大しているトキ生息圏をカバーする全県レベルでの「生態農業」推進が不可欠である。この意味で、省・県政府行政と住民組織との連携が欠かせない。  中国でも農村の生態環境保全を視野に入れた「生態農業」により栽培された農産物の市場価格は高く、都市消費者に支えられ「生態農業」が進展している。トキ生息地洋県全域で地域に固有な「生態農業」を推進するために所得補償を含めた支援も必要である。佐渡では、過去の繁殖期の餌場であった水田の復元・維持管理と、非繁殖期には群れで広域に活動するため平野部水田の生態環境保全が鍵となる。一時は不可能と思われたトキ野生復帰の夢が現実性を帯びてきている。}, pages = {19--45}, title = {人間・野生動物の共生と農山村経済振興 : 中国洋県トキ保護の事例(第3報)}, volume = {19}, year = {2002}, yomi = {ス, ユンシャン and カワイ, アキノブ} }