@article{oai:ouj.repo.nii.ac.jp:00008760, author = {坂井, 素思 and SAKAI, Motoshi}, journal = {放送大学研究年報, Journal of The Open University of Japan}, month = {Mar}, note = {このエッセイ(試論)では、「社会時間とは何か」について追究している。重要なことは、この社会時間が、他者や人びとの間の「共時化」作用によって成立している点である。なぜ共時化が重要であるかといえば、社会時間の構成においては、時間を合わせる相手が誰であるのかが決定的な意味を持つからである。誰の時間を準拠として定め、それに合わせるのか、どのような範囲で共時化作用が行われるのか、という他者との関係性が、社会時間を形作っている。  「誰に合わせるか」の事例として、近代社会では三つの時間構成スタイルがある。第1に、「時間構成する側」が主導してこれに時間を合わせる方式で、1者関係(支配型共時化作用)の社会時間構成がある。近代社会では、工場や企業や官僚組織などの発達によって、他者や事物を従属させる社会時間が発展した。第2に、「時間構成される側」にも時間を合わせる相互的な方式による、2者関係(交換型共時化作用)の社会時間構成がみられる。近代では、市場取引や貸借関係などで、社会時間を共有することが行われるようになった。第3に、「時間構成する側とされる側」を 全体的に媒介するなかで時間合わせが行われる方式で、3者関係(互酬型共時化作用)の社会時間構成が行われる場合が見られる。祝祭や世代などで醸成される混沌状態のなかにあっても、構造的な時間構成が形成されるのをみた。  社会時間では、このように誰が主導するかによって、心理時間や身体時間や物理時間との調整と組み合わせが行われるかが決まってくるような、他者との複合的な時間構成が行われている。そして、最終的には、心理や身体などへの社会時間の浸透によって、逆に時間が社会を秩序づける実体化作用が生じていることを見ることになる。社会時間は、カーニバルの時間効果でみるように潜在化したり顕在化したりして、また実体から非実体の間で局面を変えながら、螺旋状に転回し、混沌の中にも一定の構造を構成する時間として、魅力的な時間構成を示し続けている。}, pages = {79--91}, title = {社会時間とは何か ─他者との共時化による近代の時間構成─}, volume = {40}, year = {2023}, yomi = {サカイ, モトシ} }